筑波大学の出願特許の紹介

 

光学活性ポリアニリンとその電解合成方法並びに光学活性エレクトロクロミック材

特願2007-018537

 光学活性と導電性を併せ持つ高分子には、(上記の各種用途の他に)、電子発色( EC:エレクトロクロミック)材料として、今後最も重要視される応用展開があり得る。近時、光通信、映像機器などの精密化、フレキシブル化の急進展に伴い、フレキシブルディスプレー(電子ペーパー、有機ELなどとも呼ばれる)の分野において、キラル・導電性高分子物質の用途が大きく産業展開されると信じられている。

  単なるポリアニリンは光学活性物質ではあるが、光学性能の外部からの制御が不十分で、光学材料としての実用性に欠け、またその重合法において、オリゴマーを経由する合成経路が必要で、製造法が非常に煩雑かつコスト高の問題があった。

 本発明では、水などの極性溶媒中でアニリンモノマー(置換基可)を特殊な、しかし簡便な手法により、アニリンモノマーからオリゴマーを経由せず単純なルートで、光学活性が強力で整調可能な、フィルムをガラス板上に製膜する方法を提案している。産生された、光学活性ポリアニリンフィルムは、光学回転制御可能なEC素子・デバイスとして実用可能なレベルである。


                                                  【230】

 


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