平成19年7月30日
筑波大学
利益相反委員会

筑波大学における利益相反マネジメントの状況について

1.趣旨

産学連携は、大学が社会からの多様な要請に応えて課題の解決に貢献していくための重要な手段の一つであり、筑波大学においても、このような観点からその拡充に努力してきました。しかし、他方では、産学連携活動を積極的に推進すればするほど、利益相反に関わる問題、すなわち、責任ある地位についている者の個人的な利益とその責任の間に衝突が生じる可能性が増大してきます。
そこで、筑波大学においても、平成17年11月以降、利益相反規則を制定し、利益相反委員会や利益相反アドバイザー、利益相反アドバイザリーボードを設置し、利益相反に関わる問題について、特に問題の発生を予防することに重点を置いて、利益相反マネジメントを実施してきました。
 この利益相反マネジメントに関しては、昨年度に引き続き第2回目として、本年の5月末日を締切りとして「産学官連携活動に係る個人的な利益に関する報告」が実施され、その報告内容についての審議が7月30日開催の第5回利益相反委員会において行われました。
 以下は、その結果についての情報の公表です。公表にあたっては、筑波大学利益相反ポリシーに基づき、個人情報保護の観点から職員等のプライバシーに関わる部分を除き、統計的に処理した情報としています。

2.産学官連携活動に係る個人的な利益に関する報告のまとめ

(1)報告義務があると認められる個人的な利益の範囲について

ア 報告の対象となる期間
平成18年4月1日〜平成19年3月31日

イ 報告の対象となる個人的な利益
 報告の対象となる個人的な利益は、筑波大学と関わりのある特定の企業等から受けた個人的な利益です。
 筑波大学と関わりのある特定の企業等とは、筑波大学の研究成果の移転を受けている企業や、筑波大学と共同研究等を実施している企業、筑波大学に製品等を納入している企業などが該当します。
また、個人的な利益とは、職員等が兼業や技術移転の対価として受取った収入で同一の企業等からの収益の合計が100万円以上の場合や、未公開株式(株式数には制限がなく一株でも該当)を保有している場合を意味します。

(2)今回提出のあった自己申告書のまとめ
   (下段カッコ内は平成17年度分報告)
 ○20人から30件の報告(教員19人 事務職員1人)
(15人から21件の報告(教員14人 事務職員1人))

  【 内 訳 】
兼業に係る報酬
  13人から13件の報告
  (6人から6件の報告)
研究成果の実施料若しくは売却による収入
  2人から2件の報告
  (1人から1件の報告)
未公開株式の保有
  13人から15件の報告
  (12人から14件の報告)

(3)利益相反委員会での審議の結果

ア 今回の「産学官連携活動に係る個人的な利益の報告」に関して、利益相反防止規則に基づいて直ちに学長の勧告を行わなければならない事例はありませんでした。

イ ただし、今回の報告に関連して、今後以下の点に留意する必要があるとされました。
(1) 発明の届出や個人的な利益についての自己申告書の提出に関しては、今後とも引続いて学内に周知を図る必要があること。
(2) 知的財産権の大学発ベンチャーへの移転に関しては、所定の手続きに基づいて行う必要があることについて、今後とも引続いて学内に周知を図る必要があること。

3.利益相反に関わる問題についての職員等からの相談

 平成18年4月1日から平成19年3月31日までの間に、職員から9件の利益相反に関わる問題についての相談がありました。このうち1件については利益相反防止委員会で審議し、その結果を職員等に回答しました。また、残りの8件については、利益相反アドバイザーから回答し、いずれも問題の発生を予防するという効果がもたらされました。


4.利益相反関連規則等の改正
  筑波大学では、平成18年9月27日に開催された、利益相反に関する第三者委員会である利益相反アドバイザリーボードで出された意見などを参考として、利益相反規則等の改正を行い、平成19年4月1日から施行し、平成19年度分の報告から適用することにしました。その主な改正点は以下のとおりです。

(1)産学官連携活動に係る個人的な利益の報告の範囲の拡大
  産学官連携活動に係る個人的な利益の報告については、以下のように、その対象となる範囲を拡大しました。

ア 配偶者又は生計を一にする2親等内の親族が個人的な利益を受けた場合であっても、報告の対象としたこと。(それまでは本人が個人的な利益を受けた場合のみが対象)

イ 複数の企業等から1年間に受けた個人的利益の合計が100万円以上となる場合は、報告の対象としたこと。(それまでは単一の企業等から受けた個人的な利益の合計が100万円以上である場合のみが対象)

(2)利益相反の定義の変更とそれに伴う利益相反関連規則及び委員会の名称の変更
  それまでは利益相反の定義を「個人的な利益を責任よりも優先させる行為」としていましたが、それをより一般的な定義に改め、「個人的な利益が責任と相反する状況」としました。それに伴い、従来利益相反防止規則及び利益相反防止委員会の名称も、利益相反規則及び利益相反委員会に変更しました。

(3)利益相反アドバイザリーボードの関連規定の改正
  それまで利益相反アドバイザリーボードは、学内委員会である利益相反委員会委員長の諮問に応えて個別の具体的な事例を検討するものとされていました。しかし、同委員会議長が認めれば、広く利益相反に関する事項を審議できることとしました。  

(本件に関する連絡先)
筑波大学研究事業部産学連携課
(外部資金情報・利益相反)専門職員
佐藤俊彦 Tel:029-853-2267
Fax:029-853-6565
E-mail:tlo●sec.tsukuba.ac.jp
(●を@に代えて送信して下さい)